「某リートを100株保有しているので、配当金は…」
あれ、用語に、ちょっと違和感が。。。
「会社のことを『投資法人』って呼ぶの?」
「『口数』って何?『くちかず』?いや、『くちすう』って読むのか。」
ここは、J-REITの世界。同じ東京証券取引所に上場されていても、株式とは、ちょっと呼び方が違うのです。
とは言え、冒頭のように、株式用語でしゃべっても、たいがいは通じますが。。。
株式用語との違い
ここでは、株式用語と比較しながら、ざっと見てみましょう。
細かい定義は省略しますが、株式会社に相当するのは、「投資法人」と言います。銘柄名に投資法人って最後に付いているやつです。J-REITでは、XX株式会社ではなく、XX投資法人です。
配当金は、分配金。このあたりは、株式用語と言うよりも、投資信託用語でしょうか。J-REITも投資信託の一種ですからね。
株数に相当するのが、口数(くちすう)です。「口数が少ない」と書いてあっても、J-REITでは「くちかずが少ない」と言ったら、恥ずかしい思いとするかも知れません。
1口あたりの分配金は…とか、100口保有しているとか、そんな感じで、数えるときは、株ではなく、口(くち)を使います。
以下の対比表を見て頂ければ、分かりやすいでしょうか。
細かいことを言えば、他にもいろいろとあるでしょうが、まずは、これぐらいを押さえておけば、よいでしょう。
株式 | J-REIT |
---|---|
株式会社 | 投資法人 |
株価 | 投資口価格 | 株数 | 口数(くちすう) |
株主 | 投資主 |
配当金 | 分配金 |
投資法人の税制メリット
先ほど、J-REITでは「株式会社」ではなく、「投資法人」だと述べましたが、それは単なる字面の違いだけでなく、税制的にもメリットがあります。
J-REITの投資法人では、利益の90%超を分配してくれると言うか、そうしないとダメな制度なのですが、その際に、法人税が実質的に免除されると言う大きな優遇があります。
通常の株式会社ですと、利益から法人税が引かれてから、残った利益を配当に回すことになります。対して、投資法人では、利益から法人税を引かれずに、分配金に回すことが出来ると言うことです。
したがって、J-REITと同じような業務、例えば不動産の賃貸事業を株式会社で行った場合と比較しても、より多くの分配金支払いが可能となっているのです。
もちろん、受け取った分配金に関しては、例えば特定口座の場合とか、株式の配当金と同じく、約20%の税金が引かれますので、そのあたりは誤解のなきように。法人が分配する前の利益に対する税制メリットがあると言う話です。