VT,VTI,VYM,VWOの分配金利回りと配当込みリターンの比較
日本人に人気の【VT】や米国株をまるっと買える【VTI】など、とても素晴らしいリターンをもたらしてくれています。
そんな【VT】や【VTI】の分配金の利回りって、どれぐらいか、ご存じでしょうか?
「え、分配金って、そんなにあるの?あまり気にしていなかったけど。」
【VT】や【VTI】も、ETFですので、分配金が支払われます。株価チャートだけ見ていても、本当の意味での、総合的な配当込みのゲインは見えてきません。
ここでは、そんな【VT】や【VTI】の配当金をデータを元に調べてみましょう。
VT、VTI、VYM、VWOの分配金利回りの比較
以下の表は、世界株へ投資する【VT】、米国株に投資する【VTI】、さらに比較のために、米国高配当株ETFとして【VYM】を、さらに新興国株ETFとして【VWO】の分配金利回りです。
銘柄 | 投資対象 | 分配金利回り |
---|---|---|
VT | 世界株 | 1.76% |
VTI | 米国株 | 1.32% |
VYM | 米国配当株 | 2.90% |
VWO | 新興国株 | 3.24% |
この分配金利回りは、2022年の年間分配金総額を、2021年12月末の終値で割った利回り%です。すなわち、2022年1年間ずっと保有していた場合のインカムゲイン%と言うことになります。
これら4つのETFの中では、2022年に限れば、新興国ETFの【VWO】の分配金利回りが高くなっていますが、これは利回り計算の分母である2021年12月末の新興国ETFの株価が低かったことが影響しており、後述の10年平均利回りでは、配当株ETFである【VYM】が配当利回りが一番高くなっています。
米国株ETFの【VTI】と世界株ETFの【VT】を比べても、米国だけでなく世界の株を含む【VT】の方が高くなっています。株主還元意欲の高い米国がもっと高配当になっても良い気もしますが、このあたりは近年の米国株高の影響なのでしょうか。また、新興国ETFの【VWO】の分配金利回りも相対的に高めと言えます。
利回り計算式は「分配金÷株価」で、株価が分母です。分母である株価が高くなれば、利回りは下がることになります。このあたりがどう影響して、どう判断するか、難しいことろです。
2022年だけでは参考にしにくいので、過去10年分ほど、見ておきましょう。
過去10年間の分配金利回りの推移
VT | VTI | VYM | VWO | |
---|---|---|---|---|
2022 | 1.76% | 1.32% | 2.90% | 3.24% |
2021 | 2.11% | 1.51% | 3.38% | 2.59% |
2020 | 1.90% | 1.70% | 3.11% | 2.15% |
2019 | 2.87% | 2.28% | 3.64% | 3.78% |
2018 | 2.23% | 1.90% | 3.09% | 2.39% |
2017 | 2.56% | 2.03% | 3.17% | 2.96% |
2016 | 2.53% | 2.12% | 3.30% | 2.75% |
2015 | 2.35% | 1.95% | 3.13% | 2.66% |
2014 | 2.46% | 1.95% | 3.06% | 2.78% |
2013 | 2.47% | 2.28% | 3.54% | 2.53% |
平均 | 2.32% | 1.90% | 3.23% | 2.78% |
平均は各年の利回りの合計を年数(10年間)で割った数値です。
米国高配当株ETFである【VYM】が頭1つぐらい抜けています。米国株ETFの【VTI】と比べても、こんなものでしょう。意外だったのは、世界株ETFの【VT】や新興国株ETFの【VWO】も、かなり分配金があると言う事実でしょう。
せっかくなので、分配金利回りだけでなく、値上がり率も、合わせて見ておくことにしましょう。
10年間の値上がり率(キャピタルゲイン)と分配金総額利回り(インカムゲイン)を比較
以下の表では、2012年12月末日~2022年12月末日までの、10年間について、
・10年間の値上がり幅と値上り率
・10年分の分配金総額と利回り
・10年分の値上り率と分配金利回り
すなわち、10年間ずっと保有していた場合の、インカムゲインとキャピタルゲインの比較データです。
VT | VTI | VYM | VWO | |
---|---|---|---|---|
10年分の値上り(キャピタルゲイン) | ||||
2012年末株価 | $49.42 | $73.28 | $49.38 | $44.53 |
2022年末株価 | $86.19 | $191.19 | $108.21 | $38.98 |
10年値上がり幅(*1) | $36.77 | $117.91 | $58.83 | -$5.55 |
10年前からの値上がり率(*2) | 74.40% | 160.90% | 119.14% | -12.46% |
10年分の分配金(インカムゲイン) | ||||
10年分配金総額 | $16.04 | $24.56 | $25.16 | $11.69 |
10年分配金利回り(*3) | 32.46% | 33.52% | 50.95% | 26.25% |
10年分の値上り+分配金(キャピタルゲイン+インカムゲイン) | ||||
10年間配当込みゲイン(*4) | 106.86% | 194.42% | 170.09% | 13.79% |
*1: 2022年末株価 - 2012年末株価
*2: 10年値上がり幅 ÷ 2012年末株価
*3: 10年分配金総額 ÷ 2012年末株価
*4: 10年前からの値上がり率 + 10年分配金利回り
なお、この表は、分配金を再投資した結果ではないので、そのあたりはご承知おき下さい。
この表を見ると、【VYM】では、配当だけでなく、値上がりも期待出来た結果となっていますね。
【VT】や【VTI】も、値上りだけでなく、配当金がそこそこあったと言えます。
残念なのは【VWO】で、ここ10年と言う期間で切り取ると、そこまで株価が上昇していないのが気になります。
まあ、ここ10年の話ですので、このままの傾向がそのまま続く保証はありませんし、逆に、どこかに平均回帰しそうな気もしますが。こればかりは予想できません。
ここで取り上げたETFですと、結局、株価次第である一方、分配金によるゲインも、そこそこあるということが分かります。
個々の銘柄の詳細、また、最新の利回りについては、以下のページを参照してください。