米国ETF分析コラム

スパーダETFの検討:バンガードETFやiシェアーズETFとの比較

米国ETFと言えば、バンガード社のETFや、ブラックロック社のiシェアーズETFを検討、購入されている方も多いことでしょう。

 

ここでは、第3の選択肢として、ステートストリート社のスパイダー(SPDR)ETFシリーズを見て行くことにしましょう。

 

高配当株ETFなら、SPYD

まずは、高配当株ETFから。スパイダーでは、経費率も低く、配当利回りも良い、【SYPD: SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF】が検討対象となることでしょう。

シンボル 名称 経費率 配当利回り
SPYD SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF 0.07% 4.62%
VYM バンガード 米国高配当株式 ETF 0.06% 3.21%
HDV iシェアーズ 米国高配当株ETF 0.08% 3.74%

※配当利回りは、2024/01/01時点での、直近1年分配金を株価で割った利回り。

 

高配当株ETFと言えば、バンガードの【VYM】やブラックロックの【HDV】が有名ですが、最近では、このスパイダー【SPYD】も話題が多くなってきました。

 

VYM】や【HDV】との違いは、【SPYD】の構成銘柄には、REIT(不動産投資信託)も含まれるという点にあります。

 

SPYD】は、設定日が2015/10/21と、まだ歴史が浅く、このREITを含む点が、今後の株価や分配金にどう影響してくるかは分かりませんが、【SPYD】は、相対的に利回りが高いのが特徴となっています。

 

REITを含めて、インカムゲイン銘柄として投資するなら、良い選択肢になることでしょう。

 

全米株ETFなら、SPTM

次に、全米・S&P500株式を比較してみましょう。

 

スパイダーETFでは、S&P500指数に連動する【SPY:SPDR S&P500 ETF】が有名ですが、やはり経費率が0.0945%と、他と(0.03%程度)と比較して高めのため、S&P500指数ETFとしては、バンガードかブラックロックに軍配が上がるでしょうか。

シンボル 名称 経費率
SPTM SPDRポートフォリオ米国トータル・ストック・マーケットETF 0.03%
VTI バンガード・トータル・ストック・マーケットETF 0.03%
SPY SPDR S&P500 ETF 0.0945%
VOO バンガード・S&P500ETF 0.03%
IVV iシェアーズ・コア S&P500 ETF 0.03%

スパイダーETFを見ると、全米株式の【SPTM:SPDRポートフォリオ米国トータル・ストック・マーケットETF】で、これはバンガードの【VTI】の対抗馬となります。以前は、【SPTM】の方が経費率が低く抑えられていましたが、現在は、0.03%と【VTI】と同じになり、優位性がなくなりました。

 

この【SPTM】ですが、以前(2017/11/16以前)は、ラッセル3000指数を連動対象としていたようですが、全米(トータル・ストック・マーケット)に変更になったそうです。そういう意味では、まだ実績が少ないのが気になりますが、インデックス投資ですので、そんなに気にする必要もないのかも知れません。

 

米国総合債券ETFなら、SPAB

次に、米国の総合債券ETFです。

シンボル 名称 経費率
SPAB SPDR ポートフォリオ米国総合債券 ETF 0.04%
AGG iシェアーズ コア米国総合債券市場 ETF 0.04%
BND バンガード 米国トータル債券市場ETF 0.035%

スパイダーETFでは、【SPAB:SPDR ポートフォリオ米国総合債券 ETF】があります。

 

この【SPAB】は、【AGG】や【BND】と比べて、ほぼ互角です。連動対象指数もブルームバーグ・バークレイズ米国総合債券指数と、AGGとは同一です。【BND】の連動対象指数は、浮動調整付きの指数となっており、これは政府などが保有していて市場に出回っていないもの控除して調整した指数で、微妙に異なりますが。

 

経費率に優位性がないため、人気で馴染みのある【BND】や【AGG】で良いと言えましょう。

 

米国リートETFなら、RWRとXLRE

最後に、米国リートETFです。

シンボル 名称 経費率
RWR SPDR ダウ・ジョーンズREIT ETF 0.25%
XLRE 不動産セレクト・セクター SPDR ファンド 0.13%
IYR iシェアーズ 米国不動産 ETF 0.42%
USRT iシェアーズ コア米国リート ETF 0.08%
1659 【東証】iシェアーズ 米国リート ETF 0.20%

 

スパイダーETFでは、【RWR:SPDR ダウ・ジョーンズREIT ETF】と【XLRE:不動産セレクト・セクター SPDR ファンド】があります。経費率も、それぞれ、0.25%、0.13%と低く設定されています。

 

同じく米国リートに投資するETFとしては、ブラックロックの【IYR】が有名ですが、経費率が0.42%となっており、他と比較して高めです。

 

また、【USRT】は日本で取り扱っておらず、東証ETFの【1659 iシェアーズ 米国リート ETF】の構成銘柄が【USRT】ですから、こちらが比較対象となります。この東証ETFの【1659】の信託報酬ですが、URSTの経費率が0.08%なのに対し、0.20%となってしまいますが、これでも、日本で買える米国リートETFとしては、かなり低いです。

 

米国口座で、米国ETFを言うことであれば、スパイダーETFの【RWR】や【XLRE】は充分検討に値するETFとなります。

 

以上、スパイダーETFを見てましたが、インカム銘柄のSPYDや、経費率の低い総合債券&全米株式、さらに、米国リートETFも、魅力的なETFがそろっており、今後も、要注目です。