米国ETF分析コラム

VIGとVYMの増配率、分配金利回りと株価騰落率の比較

「連続増配」、毎年配当が増えていく銘柄に投資するなんて、インカムゲイン投資家にとって、何と素晴らしいことでしょう。

 

と、ここで気になるのが、連続増配って、一体、何パーセント(%)ぐらい増配されるものなのでしょうか?

 

ここでは、米国連続増配ETFである【VIG】を取り上げて、過去10年間の増配率(配当成長率)を見て行きます。【VIG】は、10年以上連続して増配の実績を持つ銘柄で構成されているETFです。

 

VIG】だけ見ても、相対的に判断しにくいため、同じく米国高配当ETFとして人気の【VYM】と比較しながら見て行くことにしましょう。

 

また、ついでに、株価値上がり率も調べ、配当利回りや配当成長率%(インカムゲイン)だけでなく、値上がり率%(キャピタルゲイン)も比較してみましょう。

 

VIG - 分配金実績と増配率、配当利回りの推移

以下の表は、【VIG】の過去10年分の分配金実績と増配率、配当利回り、株価騰落率を調べたデータです。

 

各年の増配率は、その年の分配金の増額分を前年の分配金総額で割った増配率%です。

 

増配率だけ見ていても、元々配当金が低い状態から増配されても、受け取れる配当金がそれほど増える訳ではありませんので、各年に受け取った配当金に対する配当利回りも合わせて見て行きます。

 

各年の分配金利回りは、その年の分配金総額を前年末の株価で割った利回り%です。
例えば、2020年であれば、2020年の年間分配金総額を、2019年12月末の終値で割った利回り%です。すなわち、2020年1年間ずっと保有していた場合のインカムゲイン%と言うことになります。

 

同じく、株価騰落率は、その年の値上り(値下がり)幅を前年末の株価で割った騰落率%です。
例えば、2020年であれば、2020年1年間の値上り(値下がり)幅を、2019年12月末株価で割った騰落率%です。すなわち、こちらは2020年1年間ずっと保有していた場合のキャピタルゲイン%と言うことになります。

 

VIG
増配率 分配金利回り 年間分配金 年末株価 株価騰落率
2020 7.62% 1.84% $2.30 $141.17 13.34%
2019 4.72% 2.18% $2.13 $124.55 27.16%
2018 6.18% 2.00% $2.04 $97.95 -4.00%
2017 5.10% 2.25% $1.92 $102.03 19.78%
2016 0.38% 2.35% $1.83 $85.18 9.54%
2015 14.76% 2.24% $1.82 $77.76 -4.19%
2014 14.19% 2.11% $1.59 $81.16 7.87%
2013 -1.56% 2.33% $1.39 $75.24 26.31%
2012 20.31% 2.58% $1.41 $59.57 9.00%
2011 11.83% 2.23% $1.17 $54.65 3.84%
平均 8.35% 2.21% $1.76 $89.93 10.87%

平均は各年の利回り%を合計して年数(10年)で割った単な平均数値です。

 

VIG】の場合、過去10年間の平均増配率は8.35%、平均利回りは2.21%と言う結果が算出できました。

 

続いて、【VYM】を見て行きましょう。

 

VYM - 分配金実績と増配率、配当利回りの推移

同じく、以下の表は、【VYM】の過去10年分の分配金実績と増配率、配当利回り、株価騰落率を調べたデータです。

 

VYM
増配率 分配金利回り 年間分配金 年末株価 株価騰落率
2020 2.26% 3.11% $2.91 $91.51 -2.06%
2019 7.27% 3.64% $2.84 $93.43 19.80%
2018 10.33% 3.09% $2.65 $77.99 -8.92%
2017 8.84% 3.17% $2.40 $85.63 13.01%
2016 2.65% 3.30% $2.21 $75.77 13.51%
2015 12.63% 3.13% $2.15 $66.75 -2.91%
2014 9.09% 3.06% $1.91 $68.75 10.32%
2013 9.79% 3.54% $1.75 $62.32 26.20%
2012 20.05% 3.52% $1.59 $49.38 9.10%
2011 21.63% 3.14% $1.33 $45.26 7.20%
平均 10.45% 3.27% $2.17 $71.68 8.53%

 

VYM】の場合、過去10年間の単純計算での平均増配率は10.45%、平均利回りは3.27%と言う結果が算出できました。

 

それでは、次に、【VIG】と【VYM】を並べて比較します。

 

VIGとVYMの増配率、利回り、株価騰落率の比較

以下の表は、【VIG】と【VYM】の過去10年分の増配率、配当利回り、株価騰落率です。

 

VIG vs VYM
増配率 分配金利回り 株価騰落率
VIG VYM VIG VYM VIG VYM
2020 7.62% 2.26% 1.84% 3.11% 13.34% -2.06%
2019 4.72% 7.27% 2.18% 3.64% 27.16% 19.80%
2018 6.18% 10.33% 2.00% 3.09% -4.00% -8.92%
2017 5.10% 8.84% 2.25% 3.17% 19.78% 13.01%
2016 0.38% 2.65% 2.35% 3.30% 9.54% 13.51%
2015 14.76% 12.63% 2.24% 3.13% -4.19% -2.91%
2014 14.19% 9.09% 2.11% 3.06% 7.87% 10.32%
2013 -1.56% 9.79% 2.33% 3.54% 26.31% 26.20%
2012 20.31% 20.05% 2.58% 3.52% 9.00% 9.10%
2011 11.83% 21.63% 2.23% 3.14% 3.84% 7.20%
平均 8.35% 10.45% 2.21% 3.27% 10.87% 8.53%

 

全般的に、配当利回りだけでなく、増配率に関しても、【VYM】が上回っているようです。
一方で、株価騰落率では、【VIG】が上回る結果となっています。

 

ここ10年の傾向ですから、今後も、そうなるとは限りませんが、増配率に関しては【VIG】が、株価上昇率に関しては【VYM】が上回ると予想していただけに、ちょっと意外な結果となっています。

 

それでは最後に、各年毎の比較や平均では、よく分からないため、10年間の総計で、比較してみることにしましょう。

 

VIGとVYMの10年間の値上がり率(キャピタルゲイン)と分配金総額利回り(インカムゲイン)を比較

以下の表では、2010年12月末日~2020年12月末日までの、10年間について、
・10年間の値上がり幅と値上り率
・10年分の分配金総額と利回り
・10年分の値上り率と分配金利回り
すなわち、10年間ずっと保有していた場合の、インカムゲインとキャピタルゲインの比較データです。

VIG VYM
10年分の値上り(キャピタルゲイン)
2010年末株価 $52.63 $42.22
2020年末株価 $141.17 $91.51
10年値上がり幅(*1) $88.54 $49.29
10年前からの値上がり率(*2) 168.23% 116.75%
10年分の分配金(インカムゲイン)
10年分配金総額 $17.60 $21.74
10年分配金利回り(*3) 33.44% 51.49%
10年分の値上り+分配金(キャピタルゲイン+インカムゲイン)
10年間配当込みゲイン(*4) 201.67% 168.24%

*1: 2020年末株価 - 2010年末株価
*2 10年値上がり幅 ÷ 2010年末株価
*3: 10年分配金総額 ÷ 2010年末株価
*4: 10年前からの値上がり率 + 10年分配金利回り

 

なお、この表は、分配金を再投資した結果ではないので、そのあたりはご承知おき下さい。

 

上の表の通り、10年間の総利回りとしては、【VIG】が201.67%、【VYM】が168.24%と、【VIG】が上回る結果となりました。

 

これらの数値は、どこからどこまでの期間で集計を区切るかで変わってきますので、必ずしも常に【VIG】が優れているという事ではない点にはご注意ください。

 

VT、VTI、VYM、VWOに関しても、同じような比較を行っていますので、以下のページを参照してください。

個々の銘柄の詳細、また、最新の利回りについては、以下のページを参照してください。