米国ハイイールド社債ETF(HYG,JNK)の9年分の分配金利回りと値動きの比較
米国ハイイールド社債に投資できる代表的なETFである【HYG】。こちらに投資して、毎月分配金を得ているインカムゲイン投資家も多いことでしょう。
また、同じカテゴリーにて【JNK】もあり、果たしてどちらのETFの方が利回りが良いのでしょう。
ここでは、過去10年の分配金利回りと株価の値動きを比較して見ることにしましょう。
HYG,JNKの連動指数と経費率
まずは、各ETFの連動指数と経費率を押さえておきましょう。
HYG | JNK | |
---|---|---|
銘柄 | iシェアーズ iBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF | SPDR ブルームバーグ・バークレイズ・ハイ・イールド債券ETF |
運用会社 | ブラックロック | ステートストリート |
連動指数 | Markit iBoxx米ドル建てリキッド ハイイールド指数 | |
経費率 | 0.49% | 0.40% |
では、さっそく、各ETFの分配金利回りを比較してみましょう。
過去10年の分配金利回りの推移
以下の表は、各ETFの過去10年分の分配金利回りを調べたデータです。
各年の利回りは、その年の分配金総額を前年末の株価で割った利回り%です。
例えば、2023年であれば、2023年の年間分配金総額を、2022年12月末の終値で割った利回り%です。すなわち、2023年1年間ずっと保有していた場合のインカムゲイン%と言うことになります。
HYG | JNK | |
---|---|---|
2023 | 6.04% | 6.72% |
2022 | 4.49% | 5.03% |
2021 | 4.01% | 4.25% |
2020 | 4.85% | 5.09% |
2019 | 5.41% | 5.91% |
2018 | 5.15% | 5.40% |
2017 | 5.16% | 5.64% |
2016 | 5.66% | 6.52% |
2015 | 5.31% | 5.79% |
2014 | 5.49% | 5.71% |
平均 | 5.16% | 5.61% |
平均は各年の利回り%を合計して、単純に年数(10)で割った数値です。
平均利回りとしては、【HYG】が5.16%、【JNK】が5.61%となり、【JNK】の方が良い結果となりました。
過去10年の株価の値動き
では次に、それぞれの株価の値動きを見て行きましょう。
以下の表は、各ETFの過去10年分の値動きを調べたデータです。
年末株価とあるのは、各年の12月末日の終値です。
騰落率は、その年の年末株価を前年の年末株価で割った株価騰落率%です。
HYG | JNK | |||
---|---|---|---|---|
年末株価 | 騰落率 (前年比) |
年末株価 | 騰落率 (前年比) |
|
2023 | $77.39 | 5.11% | $94.73 | 5.26% |
2022 | $73.63 | -15.38% | $90.00 | -17.10% |
2021 | $87.01 | -0.33% | $108.57 | -0.34% |
2020 | $87.30 | -0.64% | $108.94 | -0.48% |
2019 | $87.86 | 8.34% | $109.46 | 8.62% |
2018 | $81.10 | -7.06% | $100.77 | -8.52% |
2017 | $87.26 | 0.82% | $110.16 | 0.74% |
2016 | $86.55 | 7.41% | $109.35 | 7.49% |
2015 | $80.58 | -10.07% | $101.73 | -12.17% |
2014 | $89.60 | -3.53% | $115.83 | -4.81% |
平均 | $83.83 | -1.53% | $104.95 | -2.13% |
ハイイールド社債と言えど、債券ですので株価はほぼ横ばい、あるいは、微妙に下落傾向なのが気になります。
また、2022年の金利上昇による大幅下落がありました。やはり米国の金利水準の影響を大きく受けるようです。逆に、分配金利回りとしては上昇しています。(分配金はほぼ変わらずとも、利回り計算の分母である株価が小さくなっているため。)
それでは最後に、各年毎の比較や平均では、よく分からないため、10年間の総計で、比較してみることにしましょう。
HYG,JNKの10年間の値上がり率(キャピタルゲイン)と分配金総額利回り(インカムゲイン)を比較
以下の表では、2013年12月末日~2023年12月末日までの、10年間について、
・10年間の値上がり幅と値上り率
・10年分の分配金総額と利回り
・10年分の値上り率と分配金利回り
すなわち、10年間ずっと保有していた場合の、インカムゲインとキャピタルゲインの比較データです。
HYG | JNK | |||
---|---|---|---|---|
10年分の値上り(キャピタルゲイン) | ||||
2013年末株価 | $92.88 | $121.68 | ||
2023年末株価 | $77.39 | $94.73 | ||
10年値上がり幅(*1) | -15.49 | -26.95 | ||
10年前からの値上がり率(*2) | -16.68% | -22.15% | ||
10年分の分配金(インカムゲイン) | ||||
10年分配金総額 | $44.26 | $60.59 | ||
10年分配金利回り(*3) | 47.65% | 49..79% | ||
10年分の値上り+分配金(キャピタルゲイン+インカムゲイン) | ||||
10年間配当込みゲイン(*4) | 30.98% | 27.65% |
*1: 2023年末株価 - 2013年末株価
*2: 10年値上がり幅 ÷ 2013年末株価
*3: 10年分配金総額 ÷ 2013年末株価
*4: 10年前からの値上がり率 + 10年分配金利回り
なお、この表は、分配金を再投資した結果ではないので、そのあたりはご承知おき下さい。
上の表の通り、9年間の総利回りとしては、【HYG】が30.98%、【JNK】が27.65%と、総合では【HYG】の方が上回ったようです。
個々の銘柄の詳細、また、最新の利回りについては、以下のページを参照してください。