配当株投資入門

「定番の配当株」なんてあるなら、きっと、あなたは自身の配当株ポートフォリオに組み入れたいと思うことでしょう。あなたは、配当株に魅力を感じて投資しているわけで、それも定番モノとなれば、なおさらです。

 

では、定番の配当株って、どんな銘柄でしょうか。

 

例えば、今時なら、「NTTドコモ」なんて、どうでしょう。
あるいは、今時なら、「メガバンク」とか、いかがでしょう。

 

株式投資歴の長い方ならご存知でしょうが、かつては、「電力株」が定番であった時代もあります。

 

「ゆく川の流れは絶えずしてしかも、もとの水にあらず」

 

時代というものは流れるものです。かつては、携帯電話なんて無かったわけですから。銀行も大きな再編の波にさらされましたし。

 

つまり、「永遠」の定番配当株なんてなくて、あるのは「今時」の定番配当株と考えるのがよろしいようです。

 

配当株と言うのは、ある一定の投資観点で見られますので、比較的定番的な銘柄が出てきます。配当株としての魅力は、誰が見ても、同じようなものということです。

 

そうであれば、多くの方々が、配当株として魅力を感じ、配当株として保有している銘柄と言えます。

 

ここでは、そのような定番の配当株の調べ方として、2つの方法を見ていきましょう。

  1. 配当株主体の個人投資家がブログなどで公開している保有銘柄を参考にする方法
  2. 配当株に関する指数の構成銘柄を参考にする方法

 

配当株主体の個人投資家がブログなどで公開している保有銘柄を参考にする方法

 

個人投資家でブログを運営していらっしゃる方は多くいます。もちろん、その中でも配当株を主体に投資している方のブログに限ります。兼業投資家で配当株で運用している方もいますし、セミリタイアで配当生活を送っている方もいます。これらの中で、その方が保有しているポートフォリオを公開しているブログがあります。この保有銘柄を参考にしましょう。

 

GoogleやYahooなどの検索サイトで、例えば、「配当株 ブログ ポートフォリオ」などで、検索してみましょう。そうすると、いくつかの配当株のポートフォリオが公開されている個人ブログがヒットしますので、1つ1つ見てきましょう。

 

ここで注意すべきは、以下の3点です。

  • 必ず複数の方の保有銘柄を参照すること。1人だけですと、その方の嗜好に偏ってしまいます。ここでは多くの人が魅力的と感じて保有している定番の配当株を調べることですから、当然と言えば当然ですが。
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  • 公開されている保有株には、配当目的ではなく、優待目的の銘柄が含まれている場合が多くあります。ここでは現金配当銘柄を探しているため、優待付きの銘柄は除外しましょう。
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  • 公開日時をチェックすること。あまりに古い日付の場合は、「今時」の内容ではないため、参考にしないようにしましょう。

 

このように、複数の個人投資家の保有銘柄を見ていると、「ああ、この銘柄とか、定番だな」と言う銘柄が浮かび上がってきます。

 

さて、ここから、あなたの判断する出番です。これらの銘柄を、何も考えずに買おうと言っているのではありません。程良い定番配当株としての「候補」が出てきたので、後は、あなたの好みと判断となります。

 

あなたは、複数の配当株の銘柄に分散投資すると思いますが、それらの複数銘柄の中に、定番的な配当株から選択した銘柄を組み入れておくと、安心・安定します。特に、あなたが初心者であれば、なおさらです。

 

配当株に関する指数の構成銘柄を参考にする方法

 

株式投資の世界では、いろいろ株価指数が存在します。日経平均やTOPIXが有名ですが、配当に関する指数もあります。これらの指数を構成する銘柄を参考にしようと言うことです。

 

ここでは、配当に関する指数として、2つ取り上げます。

東証配当フォーカス100指数
  • 予想配当利回りに着目した株価指数。
  • TOPIX1000および東証REIT指数の構成銘柄の中から、時価総額と予想配当利回りを基に、100銘柄(株式90銘柄、REIT10銘柄)を選定。
  • 毎年1月と7月に定期的な構成銘柄の入れ替え実施。
日経平均高配当株50指数
  • 日経平均構成銘柄のうち、配当利回りの高い50銘柄から構成。
  • 予想配当利回りに流動性(売買代金)を加味して構成銘柄を決定。
  • 毎年1回、6月末に構成銘柄の入れ替え実施。

 

ちなみに、以下のページで、それぞれの指数構成銘柄が、配当利回り順で、見ることが出来ます。

 

これらは、配当利回りに着目した指数であるため、その構成銘柄を参考にしようと言うことです。

 

ただし、これらはあくまで株価指数として利用する観点で選定された銘柄であり、個人投資家が配当株として保有する観点で選ばれたものではありません。

 

実際、東証配当フォーカス100には、利回りがイマイチなものや、配当株としてどうなの?みたいな銘柄も見受けられます。日経高配当株50は、日経225銘柄から選定されているため、日経平均との連動性がかなり高くなります。

 

また、そういう観点では、配当にこだわらず、投資家にとって魅力的な銘柄で構成される「JPX日経インデックス400」の中から、配当利回りの良い銘柄を参考にするのも良いでしょう。

JPX日経インデックス400
  • 「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成される株価指数。
  • ROE(自己資本利益率)や営業利益率なども考慮に入れた、投資魅力の高い優良銘柄を選定。
  • 外国人投資家が好む条件をクリアしているため、海外からの注目度が高い。

 

以下のページで、JPX400の構成銘柄が、配当利回り順で、見ることが出来ます。

 

これらの指数に連動するETFや投資信託も存在しますので、機関投資家、あるいは、投資信託を通じて個人マネーが保有しているとも言えます。すなわち、代表的な銘柄や定番の配当株と言うわけです。

 

また、これらの構成指数に拘らず、一般の投資信託にも、好配当を歌っているファンドも存在します。保有銘柄も一部公開されていたりしますので、参考にすると良いでしょう。

 

多くの配当銘柄を眺めてみると、とても参考になります。定番的な銘柄もあれば、そういう銘柄もあったのかと銘柄の発掘に繋がることもあります。

 

特に個人投資家の配当株ポートフォリオを見ていると、個人投資家に好まれる銘柄が多く入ってきます。銘柄選定を行う上で、また、見る目を養うには、重要な情報源となります。

 

いずれにせよ、これらは「候補」を洗い出したのであって、ここからは、あなたの判断の出番です。