配当株投資入門

さて、今回は、配当株投資を行っていく上で、分散投資の考え方について、いろいろと考えてみましょう。

 

分散投資の教えとして、有名な投資格言がありますね。はい、そうです。

 

「卵は1つのカゴに盛るな」

 

これは、「卵を1つのカゴに入れておくと、落としたら全部割れちゃうので、複数のカゴに分けておきましょう。」と。「特定の投資商品に資金を集中させると、何かあった時に酷い目に合いますよ。」と言うことでしたね。

 

この「卵は1つのカゴに盛るな」、つまり分散投資の教えですが、賛否両論あります。

 

集中投資か、分散投資か

 

まず、投資資金量とか投資ステージ次第だろうと言うことです。

 

「そんな少額の投資資金しか持ってないのに、さらに少額に分けて分散投資しても仕方ないだろう。」

 

確かにその通りですね。少額の資金量とは、一体いくらなのかは、人によると思いますが。

 

「資金が少額の最初のうちは、リスクを取って集中投資して、資金が増えたら、分散投資に切り替えれば良いじゃん。」

 

確かにそのような投資ステージを経て、増えた資金を守るために分散投資をしている方もいらっしゃいます。投資で資金を増やすということでなくても、事業で成功したり、退職金などで資金が大きく増えたら、その大切な資金は分散投資となることでしょう。

 

「自分の良く理解している得意な分野に集中投資すべきだよ。言われるままに、よく分からないままに、分散投資しても上手く行かないよ。」

 

これは「集中投資がよいのか、分散投資が良いか」の論議に通じるものがあります。

 

そもそも、集中投資できるだけ、その分野に対する技量があるのでしょうか。それだけの時間を投資に割り当てることが出来るのでしょうか。

 

決して、当てモノ的に、集中投資しても、それはギャンブルですね。

 

集中投資には、それだけの「技量」や「経験」が必要で、ある程度の「確信」を持って、投資を行う必要があることだけは、確かのようです。

 

配当株への資産配分は大きく成りがち

 

さて、配当株の話をしましょう

 

配当株投資では、資産を配当株という形に変えて保有することになります。そして、配当金を受け取りながら過ごすわけですが、この配当金、そんなに多くは貰えません。比較的高配当な銘柄を選んだとしても、年間配当利回りは平均的してみると、3%~4%と言ったところでしょうか。受け取る配当金を増やすには、配当株への資金配分を増やすしかないわけです。

 

そもそも、配当株へ投資しようとしている時点で、ある程度の纏まった資金があるのではないでしょうか。

 

あるいは、将来的には配当金で生活しようとか、今からでも、配当金で生活費の一部をまかなえるようにしようとか。

 

そういった場合には、配当株への投資資金が多ければ多いほど、受け取る配当金が多くなるという、当たり前のことになります。

 

10万円の資金で配当利回りが3%であれば、年間3千円、100万であれば3万円、1000万であれば30万円。

10万円 × 3% = 3千円
100万円 × 3% = 3万円
1000万円 × 3% = 30万円

年間で3万円の配当収入があれば、「実は今月は配当金の入金があってね。ちょっと贅沢しちゃおうか。」とか。まるで今月はボーナス月だからってみたいなものですね。

 

あるいは、年間30万円の配当収入があれば、月間平均で2万5千円なわけですから、「うちの光熱費は配当金でまかなっているんですよ。」とか。

 

まさに、配当株投資による配当金生活に近づいてきます。そうなると、もっと配当株を買おうということになって、余計な買い物を控えて、配当株を買っていくという好循環になるわけです。

 

一方で、安易に資金があるからと言って、配当株につぎ込むとどうなるでしょうか。これは、先ほどの「卵は1つのカゴに盛るな」ということに通じます。

 

配当株へ大きな資金を割り当てるということは、ある程度の集中投資になるわけですから、その分野にある程度の技量や経験が必要とになってくるでしょう。

 

配当株投資とは言え、株式投資ですから、日々の相場の動きで、保有株の値上がり値下がりに、多いに揺さぶられます。配当株では、その揺れ幅が比較的小さいのですが、一方で、投入している資金量が多いので、揺れ幅金額が大きくなります。

 

実際に、資産の大半を配当株に投じて、配当金生活をしていらっしゃる方もいますが、そういう方は、とても経験豊富で、上手です。メンタル的にも、ぶれることがありません。

 

あなたは、配当株への投資レベルは、今、どれくらいでしょうか。ゲームで言えば、今まで、何ステージをクリアしてきたでしょうか。

 

やはり配当株投資と言えど、少ない投資資金から始めて、年月を経て、投資経験を積みながら、投入資金を増やしていくのが、良さそうです。

 

配当株では、銘柄が偏りがち、意識して適度に分散を

 

さて、配当株投資において、まさか「1つの銘柄に集中投資」なんて、あり得ないですよね。

 

会社と言うのは、堅い事業で安定していても、事故や自然災害に巻き込まれて、配当ゼロ、あるいは、最悪倒産にまで行くこともあります。

 

そこで、複数の会社の銘柄へ分散投資と。

 

ここで、ちょっと待ってください。同じような会社ばかり選んでいませんか。例えば、一昔前であれば、複数の電力会社の銘柄に分散投資とか。

 

そうです。ここは、業種や業態の分散のお話です。

 

実際に、配当株として、銘柄を選別していくと、似通った銘柄ばかりに成りがちです。

 

例えば、社会インフラや通信設備を保有して事業している会社が良いと思えば、そのような種類の銘柄ばかりに目が行きます。

 

あるいは、不動産資産を所有していて安定した賃料が入ってきている会社が良いと思えば、そのような銘柄ばかり探すようになりがちです。

 

配当株投資は、放っておくと似たような銘柄に成りがちであるため、意識して、業種や業態の分散を心がける必要があります。

 

業種はもちろんのことですが、例えば不動産銘柄でも、新築住宅販売を主力としている会社もあれば、中古再生のマンションリフォームを得意としている会社もあります。東京基盤の会社もあれば、関西を基盤としている会社もあることでしょう。したがって、事業内容も見ながら、分散投資を意識すると良いでしょう。

 

一方で、あらゆる業種のあらゆる業態まで、細かく網羅するように分散する必要はありません。配当株に向かないような業種・業態もあるわけで、無理にそのようなところから銘柄を選ぶ必要もないのです。

 

つまり、偏りを避け、適度に分散していれば、分散効果としては充分ということになります。