配当を貰うには、「権利確定日」(通常はその会社の「決算日」)に、株主である必要があります。
そして、権利確定日(決算日)の3か月後ぐらいに配当金が入金されるという訳です。
「じゃあ、決算月の異なる複数の銘柄に分散投資していれば、1年を通じて、ちょこちょこ配当金が入金されるのですね。」
「全ての月の決算月銘柄に小分けにして投資すれば、毎月分配型の自分年金ってなるわけですね。」
はい、それは、そうなのですが、現実的には、日本の多くの会社は3月末が決算月なので、保有銘柄も3月末に偏ることになります。
日本株の決算月の割合
以下のデータは、とある時点での上場銘柄の決算月別の銘柄数と割合を計算したものです。(私の独自集計です。)
決算月 | 銘柄数 | 割合(%) |
---|---|---|
1月 | 50 | 1.39% |
2月 | 197 | 5.48% |
3月 | 2413 | 67.07% |
4月 | 37 | 1.03% |
5月 | 69 | 1.92% |
6月 | 113 | 3.14% |
7月 | 31 | 0.86% |
8月 | 65 | 1.81% |
9月 | 145 | 4.03% |
10月 | 42 | 1.17% |
11月 | 54 | 1.50% |
12月 | 382 | 10.62% |
ご覧のように、3月決算が2413銘柄、67.07%と大部分で、続いて12月決算が382銘柄、10.62%となっています。残りの月は決算月としては、マイナーな部類と考えてよいでしょう。ざっくりと、3月が6-7割、12月は1割程度とお覚えておきましょう。
1番少ないのは、この時点では、7月決算の31銘柄、0.86%で、2番目に少ないのが4月決算の37銘柄、1.03%となっています。
「なんだマイナーな決算月でも30~60銘柄もあるんだ。毎月分配型の自分年金に出来るんじゃない?」
と思うかも知れませんが、この少ない銘柄数の中に、配当株として相応しいもの、自分のお眼鏡にかなうものが、どれだけ存在するかと考えると、ほとんど無いかも知れません。例えば、7月決算の31銘柄(0.86%)を例に取ると。仮に、あなたが100銘柄に分散しているなら、割合は0.86%ですから、100銘柄の中で1銘柄あるか無いか程度となります。
3月に偏る決算月への対応
では、この3月に偏っている日本株への対応、もちろん配当株投資と言う観点からですが、いろいろと考えてみましょう。
ありのまま、無理に対応しない
配当株の銘柄選択を行う上で、決算月の偏りなんて意識しないで、ありのままに。必然的に3月決算に偏りますが、1年間の配当金として見れば変わらないので、良しとする考え方です。
中間配当を意識して、6か月毎に分散させる
日本の多くの会社は中間配当を実施しています。3月末決算であれば、9月末に中間配当があります。と言うことは、配当の権利確定日が3月と9月の年2回になります。この中間配当と期末配当を合わせれば年間配当となるわけですが、その会社の方針に寄りますが、単純に年間配当を中間と期末で2分割ではなく、中間決算の配当金額の方が少ないケースが多いようです。
いずれにせよ、1年と言う期間は長いですから、その途中で中間配当を頂けることは、配当金の入金月の偏りを少でも分散したい方にとっては、嬉しい限りです。
12月決算を意識して、4半期に分散させる
3月に続いて多いのが12月決算銘柄です。実際に、この12月決算銘柄の中に、配当株として相応しい銘柄が数多く存在しています。12月決算銘柄にも中間配当(6月)を実施している会社が多くあります。3月決算銘柄と組み合わせると、3月、6月、9月、12月と四半期に分散されるというわけです。
6月期末決算の12月中間配当でも、同じことですので、正確には、6月・12月決算銘柄を意識するということです。もし、3月と12月(6月)に同じような銘柄があって迷っているなら、12月(6月)決算を選ぶとか。
あるいは、明確な意図を持って6月12月から選んで、決算月の分散を図る。決算月の分散は、配当金受取月の分散だけでなく、さらには、一斉の権利落ちを避けたり、投資タイミングを計る上でもポイントとなることでしょう。
マイナーな決算月の銘柄も、あえて組み入れる
配当株投資、さらには、配当金の入金を実感しだすと、配当金の入金がない月は、やはり寂しく感じるものです。そこで、マイナーな決算月の銘柄も、明確な意図をもって、組み入れようという考え方です。マイナーな決算月とは、ここでは1月、2月、4月、5月、7月、8月、10月、11月を指しています。マイナーな月でも少しは配当金を受け取りたい派の対応と言えます。何といっても、マイナーな決算月は銘柄が少なく、選択肢が少ないですから、あまりに毎月にこだわり過ぎないように注意しましょう。
また、マイナー月に入れましたが、2月は小売業を中心に、決算銘柄が相応に存在しますので、選びやすいと言えるでしょう。
Jリート(不動産投資信託)銘柄を組み入れる
Jリートは、投資家から資金を集めて、不動産(オフィスビル・商業施設・住居・物流施設・ホテル・ヘルスケア施設など)を購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する投資信託の一種で、一般の日本株と同じように、東証に上場されています。このJリートですが、配当株投資家の間で、実に人気のある商品(銘柄)で、配当株に加えて、Jリート銘柄を組み入れてる方が、かなり多くいらっしゃいます。
このJリート銘柄ですが、通常年2回の決算月に分けて分配金が支払われます。(年1回の銘柄もあります)。
Jリートの決算月は、3月に偏ることなく、マイナーな決算月にも、多くの選択肢があります。そこで、配当株として3月に偏るなら、その他の月は、このJリート銘柄の分配金でカバーしようではないかと言うことです。
例えば、Jリート銘柄で、1月・7月決算銘柄、2月・8月決算銘柄、4月・10月決算銘柄、、5月・11月決算銘柄を組み入れれば、先の配当株の四半期(3月・6月・9月・12月)と合わせて、毎月をカバーするということが出来るというわけです。
ご参考
以下のページで、決算月別の銘柄が、配当利回り順で、見れます。